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日本人が持つ侘び寂びの精神とは?わかりやすく解説してみた

「侘び」「寂び」っていったいなんでしょうか?

日本独特の美意識の表現でありながら、

自信を持ってこれだと答えるのは難しいですね。

私は、「侘び」「寂び」と聞くと、

自然と頭に思い浮かべる歌があります。

 ~見渡せば 花も紅葉もなかりけり 浦の苫屋の秋の夕暮~

新古今和歌集の藤原定家の歌で、まさに私の頭の中の

「侘び」「寂び」を見事に表してくれる一首です。

侘びっていったいなに?

茶道 侘び 寂び 意味

辞書によると侘びとは下記のような意味とあります。

 

1. 茶道・俳諧などにおける美的理念。

簡素の中に見いだされる清澄・閑寂な趣。

中世以降に形成された美意識で、特に茶の湯で重視された。

 

2. 閑寂な生活を楽しむこと。

 

3. 思いわずらうこと。悲嘆にくれること。

 

「侘び」という言葉はすでに万葉集の中にも登場し、

恋がかなわない寂しさ苦しさを表すときに使われていた言葉でした。

 

奈良時代には「侘び」という言葉は、美意識を表す言葉ではなく、

苦しさや悲しさ、寂しさを表す意味合いで使われていましたが、

その後時代を経て、「侘び」が「閑寂な趣」を表す言葉として

尊重されるようになっていったようです。

 

「侘び」という言葉においてはその意味合いに

変遷があったように思いますが、古くうらぶれたもの、

簡素さの中の美しさを愛でる美意識は、

昔から日本人の中に変わらずにあったことは、

枕草子の一説からも読み取れます。

秋は夕暮れ 夕日のさして山の端いと近うなりたるに 

烏の寝どころへ行くとて 三つ四つ 二つ三つなど

飛び急ぐさへあはれなり

これは夕暮に鳥が寝床へ帰ってゆく寂しげな様子ですが、

そんな夕暮時こそがいい、と言っているその美意識もまた

「侘び」ではないかと思います。

そして時代は違いますが、藤原定家の「見渡せば~」の歌には、

うらぶれた海辺の苫屋の夕暮に、

花や紅葉とは別の美しさを詠み人が感じているような気がします。

金でも錦でも大輪の花でもない、簡素な海辺の家の夕暮に、

何か別の美しさを感じている美意識こそ「侘び」ではないかと思います。

それでは、「侘び」という言葉が、現代のように

独特の美意識を表すようになったのはいつごろなのでしょうか。

物の本によりますと、「侘び」と言う言葉が

頻繁に使われるようになるのは、

南北朝時代から江戸初期の間のようです。

その時期はちょうど千利休が活躍した時代であり、

茶道が中国式から日本風にアレンジされ、

侘び茶のスタイルが確立された時期でもあります。

侘びを理解できないものは茶人ではないとまで言われるほど、

「侘び」が尊重されていた時代でもあり、「侘び」という言葉、

美意識は茶道の発展とともに広まっていったと思われます。

『侘びという言葉は 古人もいろいろに歌に詠じけれども

近くは正直に慎み深くおごらぬ様を侘びと言う』

真偽は不明ですが、利休の師匠である、

武野紹鴎の言葉として伝わっています。

「侘び」について語った言葉ですが、自分の才能を過信したり、

無理をして実力以上のことをしようとしたりしない、

慎み深く正直な姿勢であるべきという教えなのだと思います。

けれどもなんとも概念的で、辞書のように明確に

侘びとはこうである、という記述はありません。

 

寂びとはいったいなに?

茶道 侘び 寂び 意味 解説

「侘び茶」という言葉はあっても、

「寂び茶」とは聞いたことがありません。

しかしこの「侘び」と「寂び」は、セットとして

日本の独特の美意識を表す言葉として定着しています。

いったい「寂び」とはなんなのでしょうか。

「侘び」が、南北朝時代から江戸初期にかけて

頻繁に使われているのに対し、

「寂び」は江戸時代になってよく出てくる言葉だそうで、

お茶の世界でもこの頃、大名茶人の中から

「寂び」ということばが良く出てくるようになるそうです。

この「寂び」が江戸時代になって頻繁に使われるのは、

松尾芭蕉などの俳句の影響があるという説もありますが、

大名茶人の片桐石州は寂びを「分限相応」という意味で使っています。

分限相応とは一体なんでしょうか。

分限= 持っている身分・才能などの程度。身のほど。分際。

 

分限相応とは、身の程にふさわしい=身の程を知る、

ということでしょうか。

石州のこの分限相応は、武士は武士らしく、

町人は町人らしく、という封建的な身分の上にたった発言

であるとする考えもあるようですが、

身の程を知るとは決して悪い言葉ではないと思うのです。

古く万葉集での「さび」は、「翁さび」「乙女さび」のように、

「~らしさ」という意味合いがあり、

そのものらしくなるという意味があるそうですので、

分限相応と同じような意味にも取れますね。

また、武野紹鴎が侘びについて語ったとされる言葉

「正直に慎み深くおごらぬ様」とも通じるものがあります。

現在では「侘び」「寂び」は同じ言葉のように使われていますが、

それはその根本にある精神性が同じだからではないでしょうか。

分相応にそのものらしく、正直に慎み深くおごらぬ様。

それが「侘び」「寂び」の考えかもしれません。

侘び寂びまとめ

茶道 わびさび  意味 説明 一期一会

分相応にそのものらしく、正直に慎み深くおごらぬ様。

それは人間だけに通じるものではなく、

定家の「浦の苫屋の夕暮」、枕草子の「寝床に帰る雁」、

そして鄙びた草庵の茶室、茶碗、茶入、

すべてのものに変化して通じるものではないでしょうか。

「侘び」「寂び」の理解は、

人それぞれの考えがあり微妙に違っています。

けれども、それは表現の違いであって、持っている価値観が

まったく異なっているわけでありません。

静寂、慎み、古きよきもの、小さいもの、

不完全に見えるもの、それらを肯定する価値観が根底にあります。

日本人なら誰もが感覚的に理解できるものであり、

説明しようにもうまく説明できないもの、

それが「侘び」「寂び」なのではないかと思います。

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