舞台上に役者が並んで、
それぞれが挨拶を述べる口上。
一度は、実際に劇場で見てみたいですよね。
口上は、いつでも見られるものではないのです。
新年の公演?
襲名披露公演?
どんな時に見られるものなんでしょう?
歌舞伎の口上を生で見たい!新年にもある?いつ見れる?
出典;http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/modules/kabuki_dic/entry.php?entryid=1125
役者さん、それぞれの挨拶が聞ける口上。
歌舞伎ファンでなくとも、
楽しみな出し物の一つですね。
さて、口上はいつ見れるのでしょうか?
宝塚歌劇団では、記念の年などの新年には
トップスターが口上を述べるようですね。
残念ながら、歌舞伎では、新年だからといって
口上が出るわけではないんです。
歌舞伎の口上が出るのは、まずは
襲名披露公演の時。
襲名する役者さんを中心にして
両脇に多くの役者さんが並び
襲名する役者さんにまつわるエピソードなどを
順に述べていきます。
襲名する役者さんを褒める方が多いのですが、
中には、子供の頃のとんでもないエピソードや
暴露話が出たりして、
お話する役者さんの個性が表れて
とても楽しいひと時です。
他界された役者さんの追善公演の時にも
口上が出ることもあります。
亡くなった方に所縁のある役者さんが
懐かしい思い出を述べるので
観客席もジーンとしてしまいますね。
最近、話題になるのは、初舞台での口上。
歌舞伎の御曹司たちは、3歳くらいで
初舞台を踏みますが、
お父さん・おじいさんなどとともに
ご挨拶をします。
先日も、尾上菊之助の長男和史くんの
初舞台口上がありました。
尾上菊五郎・中村吉右衛門の
おじいさま二人の頬が緩みっぱなし、
一方、当のご本人の和史くんは、
手で顔を隠してしまっていましたね。
でも、お客さんからは大きな拍手。
初舞台の口上では
観客席がみんな親戚のおじさん・おばさん状態で
見守ってしまうのです。
歌舞伎の口上ってどんな意味があるの?
江戸時代に、上演前に演目のタイトルや
出演者の名を述べていたことがはじまりです。
現在では、口上として一幕を設けて
礼装をした俳優がずらりと舞台上に並び、
順々に挨拶をしていくことですね。
途中で劇を一時中断し、登
場人物の衣装のまま正座して、
口上を述べることもあります。
初舞台の口上は、このスタイルが多いですね。
口上のセリフ例!「東西東西」「隅から隅まで」とは!?
出典:http://mimosa24.exblog.jp/iv/detail/?s=19015260&i=201212%2F17%2F46%2Fc0237946_2182578.jpg
歌舞伎の口上では、少し格式ばった言葉を使って挨拶します。
まずは、「東西東西」
トザイ トーザーーイ
と声がかかりますね。
これはどういう意味かというと、
客席の隅から隅までということ。
電気のない江戸時代、
劇場は太陽の光を取り入れるために
南に向いて建てられていました。
出るから、東西は客席の右端から左端まで
と言う意味になるのです。
口上の最後は
「隅から隅まで ズズズイットウ、お願い奉りまする」
といった言葉で締めくくります。
隅からすみまで、ずずずいっとうと言うのも
東西東西と同じで、
客席の全部のお客様と言う意味。
このセリフに合わせて、
視線を客席の端から端まで動かします。
まとめ
・歌舞伎の口上は、襲名披露・追善公演・初舞台といった
特別な時に行われます。
・一幕を設けて、役者さんが礼装をして口上を述べる場合と
劇を一時中断して口上を述べる場合があります。
・口上は格式ばった言葉を使います。
「東西 東西」
「隅から隅まで」
とはお客様全員に呼びかける言葉です。
さて、口上を見たい方は、襲名披露公演をチェックです。
楽しい口上が聴けますよ!