夏になると、
少し透けた感じのある生地の着物を
粋に着こなす女性が増えますね。
その透け感のある素材が、絽や紗です。
さて、絽と紗は見分けがつきにくいのですが
どこが違うのでしょうか?
着物の絽と紗ってそれぞれどんなもの?
7月、8月の真夏の着物に使われる
生地が絽と紗。
どちらも、涼し気にみえる生地です。
どんな織り方でできているのでしょうか?
絽と紗の共通点とは?
どちらも二本の経糸を捩りながら
緯糸と織り込んでいます。
経糸を捻じった部分に小さな隙間が生まれるので、
そこが透けた感じに見えるのです。
絽ってどんな着物?
出典:http://blogs.yahoo.co.jp/chicory_ymmf3
絽の生地は、緯糸数本おきに縦糸を捻って
隙間を作りながら織り上げています。
三本絽、五本絽などがあります。
七本絽、九本絽といったものは、
隙間が少なく、透け感が控えめです。
また、経糸で隙間をを作る経絽という
織り方もあります。
紗ってどんな着物?
「紗がかかったような」
という表現がありますね。
薄く靄がかかったような様子を表します。
紗とは、向こう側が見えるほど、
透き通った織物なのです。
紗は二本の経糸で緯糸一本ずつをからめて
織り上げているので 絽以上に透け感があります。
着物の絽と紗を比較!その違いとは?
出典:http://www.arecole.com/index.html
絽も紗も、透け感があって、涼し気に見えるので
夏に身につける着物
という点は共通しています。
しかし、格も異なり、
また、着用する時期も、微妙に異なってきます。
絽と紗の格や着用時期の知識も
しっかり身につけて、おきましょう。
格はどっちが上なの?着用シーンは?
基本的に、格としては、絽が上です。
絽は結婚式やお茶席などの
フォーマルの席にふさわしい生地で、
訪問着、色無地など正装用の着物に用いられます。
絽より透け感のある紗は、
糸と糸の間の隙間が多い分、
友禅模様などの細やかな柄を
美しく染めるのが難しくなってしまいます。
そのため、小紋などに染めて、
カジュアルからセミフォーマルの
着物として楽しみます。
着用時期が微妙に違うってホント?
そうなんです。
夏に着ることは同じでも、
着用時期は、少し異なるのです。
透け感の大きな紗は、とても涼しげに見えるため、
盛夏に着用します。
7月でも梅雨明け前は、少し早いかな・・
というところでしょうか。
8月も秋の虫の声が聞こえる前までと言いますが、
温暖化で猛暑の続く現代では、
8月末までは 紗を着ていても、
おかしくないと思いますよ。
一方、絽は、7月から8月は、いつでも着られます。
また、隙間が比較的少ない絽縮緬や七本絽、九本絽は
単衣の時期を含めて、6月から9月まで着られます。
見た目だけで見分けはつくの?
出典:http://blogs.yahoo.co.jp/kimonoobimusubi
慣れてくれば、見ただけで、
絽か紗か、わかるようになりますよ。
隙間の網目が細かくて、
全体的に透け感が大きいのが紗です。
一方、絽は平織と綾織部分があるため、
紗のように全体が 網目のようにはなりません。
隙間が縞模様のように入るのが絽です。
夏は浴衣という印象がありますが、
ちょっとしたお出かけには、
絽や紗の着物でおしゃれしたいものですね。
透け感のある絽や紗を身につけて
猛暑の時期に、
涼し気に見せる着こなしをしてみませんか。