畳の部屋はどうやって掃除をしていますか?
フローリングと同じように掃除機?雑巾がけ?
あるいは・・・コロコロを使って隅々までくまなく美しく!
と心がけている方、いけません、
コロコロは畳の掃除に使ってはダメなんです!
畳の掃除にコロコロは厳禁!その理由は?
ずばり、コロコロは畳を傷めるからです!
畳は、藁(わら)を糸でさしかためた畳床に、
藺草(いぐさ)を編んだ畳表をつけて縁をつけて作られています。
自然素材ですから、粘着力の強いコロコロを使うと、
ベトベトしたテープが畳にくっついて
藺草がほつれたり毛羽立ってしまいます。
畳表は経糸(たていと)に麻や
木綿の丈夫な糸を使って藺草を織りあげてあります。
だから経糸の通る所が筋になっています。
この筋と筋の間を「畳目」といって、
茶道ではこの畳目を利用してお点前の位置を定めています。
この畳目、ホコリがたまったり、
ダニ・カビの温床になったりするのが困るんですよね・・・
また、畳の縁には高価な織りを施していることもあるので、
やはりそこをコロコロで掃除するのは避けるべきでしょう。
畳の掃除をする方法は?
ダニ・ホコリ
ダニ・ホコリを畳から取り除くためにはやはり、
掃除機が一番です。
ただし、使い方を間違えるとコロコロ同様、
畳を傷めてしましいます。
まず畳に掃除機をかける時は、
掃除機本体は持ちあげておきます。
本体を置いたまま移動すると
本体の重みとローラーが畳を傷つけるからです。
次に畳の目にそってゆっくり吸い込み口を動かします。
排気口はまだ掃除の終わってない方に向けておきます。
掃除機のあとに、乾拭きをします。
濡れた雑巾はカビの原因になるので、
どうしても使いたい場合は固く固く絞った雑巾を
さらっと拭く感じで、
水分を畳になるべく吸わせないように注意しましょう。
天気の良い時に掃除をして、
畳をすばやく乾かせるようにしたほうがよいですね。
最近では畳用のコロコロがあって、
静電気でホコリを浮かせるタイプのものもあります。
しかしダニを取り除こうと思ったら
掃除機にかなうものはありません。
カビ
畳に限らず、カビの発生する条件は、
温度、湿度、養分、空気で、
その中でも温度が20~30度、湿度75%以上が続いた時に、
畳表の表面にカビが発生しやすくなります。
畳は藺草という自然素材でできていますから、
本来空気中のホコリを吸って、
湿度を調節するという性質をもっています。
つまり高い湿度が継続すると、
どんどん湿度を吸収してしまうのです。
新築の家の和室の畳がカビが繁殖しやすいのは、
新しい藺草の畳表の湿度吸収の機能が高いからなのです。
まずは天気の良い日に窓を開け、
掃除機でゆっくり畳目に沿って
カビを吸い取り、乾拭きをします。
晴天の日に畳を3、4日ほど陰干し、
あるいは畳を裏返して干す。
日焼けを防止するため直射日光には当てません。
どうしても対処しきれない場合は
畳店に相談しましょう。
カビやダニを防止する畳や、
天然藺草に近い素材の畳もあるので
換えてみるのも一考ですね。
茶室の畳は陰陽五行思想から
四畳半の茶室には、
北側の床の間の前の正客が座る「貴人畳」、
にじり口は南側で、次客以下が座る東側の「客畳」、
点前をする西側の「点前畳」、茶道口のある「踏込み畳」、
炉が切ってある中央の「炉畳」、というように、
一畳ごとに意味を持つ名前と位置があります。
古くは禅院で仏行修業をした茶人が、
このような中国古代の陰陽五行思想が
組み込まれた茶室を生み出しました。
からだと心を整えて、
畳に正座をして稽古を積み重ねることは、
礼節ある人格をつくる第一歩です。
茶道の心をあらわす畳を美しく大切に扱うこと、
これがどんなに重要であるかを見に染みて感じる、
畳の掃除ですね。
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