夏も近づき、普段着物を着なくても
「せめて花火大会では浴衣が着たい!」
と思っている方も
多いのではないでしょうか。
しかし、久しぶりに
いざ自分で着てみようと思っても
着方を忘れてしまって、
「合わせってどっちが前だったっけ?!」と迷ってしまいますよね。
そこで!
浴衣や着物を着る時の前合わせについてお伝えしようと思います。
着物の前合わせは右前がルール!左前がダメな理由とは?
タイトルの通り、
「右前」が前合わせの正解です。
右前って?と思う方も
多いと思いますが、
それは後ほど詳しく説明するとして・・・
何故、左前だとダメなのでしょう?
それは、「死装束」になってしまうからです。
今現在、お亡くなりになった方には
逆の左前で死装束を着付けます。
ですので、左前で着付けてしまうと
かなり縁起が悪いといった印象になってしまいます。
なぜ死装束は逆なのでしょうか。
諸説あるのですが、
どうやら死装束が決まったのは
奈良時代のことだそうです。
奈良時代に、
「百姓などの一般人は右前合わせ」
と定められました。
その後に、庶民が死ぬと
「せめて来世は吉事あらんことを」
と願って、
死装束を左前に着せることが
流行ったそう。
やがて奈良時代が過ぎると、
その律令もなくなったのですが
「死者には左前に着せる」という習慣だけが
残ったのだそうです。
他にも、
「あの世とこの世は正反対の世界だから逆」
「お釈迦様が左前に着物を着ていたから、その反対にいる私たちは逆」
などの説があるみたいです。
男女の場合は前合わせも逆になるの!?
こちらは、私自身も何度か友達から聴かれたことがあります。
意外にも男女で前合わせが逆なのでは
ないかと思っている方が多いようですね。
答えは「男女共に一緒」です。
男も女も右前合わせが正解です!
どうやら洋装(シャツなどボタンのあるもの)の着方と混同されている方が多いようですね。
ちなみに、洋装で何故男女が逆なのでしょう。
ボタンがついた服がでてきたのは
13世紀頃のヨーロッパ。
やはり右利きの人が多かったようで、それに合わせて
自分から見て右側にボタンがあるほうが着やすい
ということでそうなったようです。
ちなみに、当時ボタンがついているような
高級な服を着れたのは上流階級の人だけでした。
男性は自分で服を着替えていましたが、
女性はメイドさんなど使用人の方が服を着せてくれていました。
召使が右利きで相手に服を着させると考えると、
男性とは逆の方向にボタンがついていたほうが便利だったということで
女性の場合は逆になった
と言われています。
ややこしい!逆に着付けてしまわないための覚え方とは?
最初に少し触れましたが
そもそも右前とか左前とか言われてもわからない!
と思われている方も多いかと思いますので、
その辺りをご説明したいと思います。
右前、左前の「前」というのは
”先に重ねる”
という意味での前です。
つまり、右前だと
自分から見て「右から先に重ねる」
ということです。
では間違えない為にどうやって覚えたら良いのでしょう?
いくつか覚え方があるのですが、
一番簡単なのは着た後に
ご自分の右手が懐にすっと入るようであれば正解です!
諸説では、
男性が後ろから女性を抱きしめた時に
ちょうど利き手の右手を使って、
女性の懐に手を入れやすいように
なっているとかいないとか・・・
また、男性は洋装の時と同じ合わせ方、
女性は逆の合わせ方と覚えるのも
ありかもしれませんね。
着物の前合わせは、浴衣や着物を着る上でとても大切です!
せっかく張り切って着て行ったのに、
間違えて着てしまって恥ずかしい思いをするのはいやですものね・・・
また男女の合わせが一緒ということや、
なんで逆ではダメなのか?ということをちょっと覚えておいて、
花火大会の時などに
お友達や彼氏などに豆知識を教えてあげるのも
良いかもしれませんね。
合わせ方を覚えて、
今年の夏はぜひ浴衣や着物の着付けに
チャレンジしてみてくださいね!
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