着物を大学の卒業式で着たい！袴以外はふさわしくないの！？

３月に入ると、袴姿の女性の姿が街中に増えて
「ああ、大学の卒業式シーズンだな・・」と
感じますね。

卒業式＝袴というイメージが出来上がっていますが、
袴以外の着物で式典に出席しては
いけないのでしょうか？

少し考えてみましょう。

大学の卒業式！袴以外の着物はダメなの？

卒業式の袴姿は、いつ頃から広まったのでしょうか？
昭和の時代は、袴はほとんど見られず、
スーツやブレザーが主流でした。

平成の時代に入って、
袴姿がチラホラ見られるようになります。
そして、段々に、袴をつける女子学生が
増えていったのです。

大学の卒業式の女子学生の袴姿が定着したの
平成に入ってから。
比較的、最近のことなんですよ。

昭和の時代には、普通の着物姿の学生もチラホラと
見られていたのです。

袴姿が多い中で少し勇気がいるかもしれませんが、
着物姿で出席しても、全く問題ないのです。

卒業式は、学業を修了したことを祝う
厳かな式典ですね。

格の高い着物、つまり、訪問着を選ぶのがよいと思います。
もちろん、振袖もよいですね！

ただ、女子大でなければ、
ダークスーツの男子学生とも席を並べます。

目をひくような派手すぎる柄は
避けた方が無難でしょう。
（最近、派手な振袖に袴姿の方も
ずいぶんいるようですが・・・）

そして、着物は、季節感が大切です。
卒業式は、3月。
季節の先取りは許されますので、
桜など春の柄がおススメですね。

帯も袋帯で格式のある柄を合わせるとよいでしょう。
平安時代から貴族が身に着けていたといわれる
ひし形や亀甲などの有職文様
宝珠や七宝などおめでたい柄の吉祥文様
の帯を合わせると素敵ですね。

卒業式は人生の旅立ちの日でもあります。
そういう晴れの日にふさわしい柄を選びたいですね。

卒業式の袴姿が一般的になったのは、
この20年くらいのこと。
昭和の時代は、一部の女の先生が
袴を身に着けていたものの、
生徒の間では、洋服が一般的でした。

平成に入ってから、袴姿がだんだん増えて
そして、一般的になりました。

では、卒業式の袴姿が広がったのは、
何がきっかけだったのでしょうか？

それは、昭和62年公開の映画
「はいからさんが通る」で、
南野陽子さん演じる主人公の紅緒が
袴を颯爽と身につけていた姿が
人気を博したことなのです。

「はいからさんが通る」の原作は漫画で、
当時の女子中高生たちに人気でした。
それが、アニメ化された後に、映画が作られ、
人気が爆発したのです。

紅緒は、大きなリボンを頭に付け、
矢絣の着物に袴、そして足元はブーツで
自転車も乗りこなす。
そんな活発な姿が女子学生の共感を得たのです。

その紅緒の袴姿が
全生徒が袴姿で出席する
宝塚音楽学校の卒業式と紐付いて
卒業式で袴を身につけることが流行しました。

そして、いつの間にか、卒業式＝袴というイメージが
定着したのです。

学問を修了し、新たな旅立ちを祝う式典ですから、
ふさわしい絵柄の着物を選びましょう。
振袖も素敵ですが、
あまり派手すぎないものがよいでしょう。

一生に一度の大学の卒業式。
これから卒業式を迎える学生さんには
袴姿も素敵ですが、何より、
自分の好きな姿で、出席してほしいですね。