「さすが人間国宝の芝居!」
という劇評が出るように、
歌舞伎役者には多くの人間国宝がいます。
どんな俳優が人間国宝に
認定されているのでしょうか。
ご紹介しましょう。
歌舞伎界の人間国宝!いま存命で認定されている役者は?
歌舞伎の人間国宝に認定されている方は、
次の方々です。
男役である立役としては、
上方歌舞伎の芸を受け継ぐ四代目坂田藤十郎。
菊五郎劇団を率いる七代目尾上菊五郎。
テレビドラマの「鬼平シリーズ」でも有名な
二代目中村吉右衛門。
因みに、菊五郎の長男の菊之助と
吉右衛門のお嬢さんが結婚し
二人の間に生まれた和史君が、
先日、初お目見えをしました。
和史君を挟んで、
二人の人間国宝のおじいちゃまが
ニコニコしていたのが印象的でしたね。
十五代目片岡仁左衛門は
2015年に認定されました。
女方では、その美しさも芸も当代一と言われる
五代目坂東玉三郎 が認定されています。
脇役でも人間国宝の保持者がいます。
最近は舞台に立たれる機会が減りましたが
六代目澤村田之助が認定されており、
2016年には、六代目中村東蔵が
新たに認定されることになっています。
歌舞伎界以外ではこんな人が人間国宝!
歌舞伎の分野では、役者以外で
長唄の七代目鳥羽屋里長と杵屋淨貢が
任命されています。
歌舞伎以外の芸能の分野では、
能楽、文楽、音楽、舞踊、演芸なので
それぞれ人間国宝が認定されています。
狂言の分野では、
野村萬斎の伯父の初世野村萬、
父親の二世野村万作が認定されています。
日本舞踊では、
祇園の「都まつり」の振付で有名な
京舞井上流家元の
五世井上八千代が認定されています。
また、落語の十代目柳家小三治
講談の一龍斎貞水も人間国宝です。
他にも、工芸分野で陶芸家・染色家など
多数の方が人間国宝に認定されていますね。
人間国宝に認定されるための条件とは?
人間国宝とは、通称であって、
正式には「重要無形文化財の保持者」と呼びます。
無形文化財とは芸能、工芸技術等の無形の「わざ」
そのものを指し
その「わざ」を高度に体得している個人が
認定されるのです。
毎年1度、その年の認定者が
文化庁から発表されます。
認定方法は公開されておらず、
発表になって初めて
どの分野のどんな人が
指定されたかがわかります。
各分野毎に認定される人数が決まっている・・
というような噂や
人間国宝の方が他界されると
同分野の新たな方が指定される・・
というような話はありますが、
真偽は不明です。
認定されるとどうなるの?
政府より、人間国宝に対しては、
年額200万円の特別助成金が交付されます。
それに対して、何かしなければならないのでしょうか?
2012年に認定された坂東玉三郎は、
「今あることを後輩に伝えなさいという
命令が下るだけです。」
とテレビのインタビューで答えていました。
今後歌舞伎界から人間国宝に認定されそうな俳優は誰?
出典:http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/contents/learn/edc17/jidai/kabuki/img/ct1_2_4.jpg
「高度な技術を体得している」ということが
求められるわけですから、
どうしても、ある程度の経験を積んだ
ベテランの俳優が認定されることになります。
2016年に認定される中村東蔵は78歳ですし、
今存命の人間国宝の俳優は60代~80代です。
その次の世代としては、
18代目中村勘三郎、10代目坂東三津五郎が
実力者だったのですが、
お二人とも早世されてしまいました。
その次の世代は、まだ40代。
歌舞伎役者として、脂がのってきた世代です。
誰が人間国宝に認定されるかは
今後の成長次第。
楽しみにしたいですね。