能と狂言の違いは何?歌舞伎との違いや各々の魅力も紹介!

能と狂言の違いは何?
と尋ねられたら、
何となくは分かるけど
はっきりとはわからない・・
という方が多いのではないでしょうか?

能も狂言も同じ能舞台で演じられるのですが、
出演する役者もそれぞれ専業の方がいますし、
話の内容も全く異なります。

一方、演じる舞台は全く違う歌舞伎ですが、
能や狂言で演じられる作品を
焼きなおしたものも数多くあり
能や狂言と共通点が多いのです。

あらためて、能・狂言・歌舞伎の違いと
それぞれの魅力をご紹介します。

 能、狂言、歌舞伎の特徴と魅力をそれぞれ解説します!

能・狂言・歌舞伎の違いを
・面/化粧
・ストーリー
・舞台
・楽器
で整理してご紹介していきましょう。


出典:http://www.kanazawanohgakukai.jp/index.html

能の特徴であり魅力の一つは能面でしょう。

シテといわれる、主役の役者は
能面をつけて演じます。

能面には、様々な種類があります。
貴公子の面もあれば、
お爺さんを現わす翁の面もあります。

女性も、若い綺麗な女性から、
忿怒の表情、角をつけた鬼女など
様々なものがあります

基本的に能面をつけている人は、
「この世のものではないもの。」
つまり、幽霊や亡霊、化け物です。

能面の種類により、
若い女性の幽霊なのか、
武士の亡霊なのか表されるのです。

一方、ワキと言われる役は、素顔で演じます。
こちらは現生の人を表しています。

能のストーリーは、
ある程度パターン化されています。

現生の人が、
亡霊などに出会うという
幽玄の世界の物語が演じられます。

能の舞台には、幕がありません。
また、大道具も使いません。

観客は、語りと役者の演技だけから、
その場のシーンを思い浮かべるのです。

能で使う楽器は、
太鼓、大鼓、小鼓、笛の四拍子です。

このほかに地謡といって、
一種のコーラスがつきます。

役者は舞台左奥の「橋掛かり」いう
通路から登場します。

囃子方も、橋掛りから、
舞台へ出入りしますが、
地謡だけは舞台後方右側の出入り口を
潜って出入りします。

狂言


出典:http://main.kyotoshugakuryoko.jp/

能が幽玄な話なのに対し、
狂言はコミカルなストーリーの芸能です。

基本的には能舞台で演じられます。

独立して演じられることもありますが、
能と能の間に「気分転換の小劇」として
演じられるのが一般的です。

狂言はセリフ劇ですので、
囃子はあまり使われません。

役者は面をつけず、素顔で演じます。

太郎冠者、次郎冠者といった
身分の低い家来たちが
いたずらをしたり、
屁理屈をこねたり・・と
ユーモラスに演じて、
観客から笑いを取ります。

基本的な知識がなくても
狂言は誰でも気軽に楽しめる
芸能です。

 

 歌舞伎


出典:http://soitgoes.blog110.fc2.com/

能・狂言と歌舞伎は大きく異なります。

歌舞伎は能のように話の展開や
役者の役割などがルール化されていません。

自由に話が展開し、
演技も演出も制約がない点が特徴です。

役者は、お面はつけませんが、
独特の化粧をして登場します。
顔は白く塗り、筋をつけた
隈取をしていますね。

大道具を使わない、能・狂言に対し、
歌舞伎の舞台では、
大道具が組まれ、場面毎に背景が転換します。

役者が舞台下から迫り上がるセリ
ぐるりと回転して背景を変換させる
回り舞台といった
独特の舞台装置が組み込まれています。

歌舞伎は、能・狂言に対し音楽も自由です。
基本は、三味線の演奏にあわせて、
芝居が進んでいきます。

ちなみに、歌舞伎役者は三味線の音を
きっかけにして演技を進めますが、
能役者は三味線の音がすると
調子がくるって動けなくなるそうです。

歌舞伎のストーリーは、
様々なものがあります。

「勧進帳」、「俊寛」といった、
能から取り入れた演目

「棒縛り」「身替座禅」など
狂言の作品を改編したものもあります。

しかし、独自に作り出されたストーリーが
大半と言えるでしょう

重厚な話、喜劇、舞踊とジャンルも様々。

能・狂言・歌舞伎とも
伝統の演目を大切にしていますが、
新作も毎年のように作られるのが
歌舞伎の特徴と言えるでしょう。

 能、狂言、歌舞伎の歴史的な成り立ちは?


出典:http://kitutukione.blog97.fc2.com/

能は、室町時代に世阿弥
その基礎を作りました。
世阿弥は、足利義満に高く評価され、
その芸を磨いてき行きました。

以降も、代々の室町将軍は能を好み、
江戸時代を通じて「武士の芸能」として
受け継がれ、
大名家では能役者を召し抱えていました。

コミカルな狂言も、
能に付属する芸能として、
武士の文化として
発展してきたのです。

ですから、庶民は、特別な機会以外は
能を目にすることはありませんでした。

一方、歌舞伎は、ご存知の通り、
江戸の庶民に支えられて発展してきました。

その歴史は、出雲のお国から始まります。
刺激的な舞踊の様子などから、
風紀を乱すとして幕府に取り締まられて、
女性の出演は禁止され、
成人男性のみの出演が許され流ようになりました。

以降、今まで、歌舞伎は
男性だけが舞台に立ち、
そして、庶民の娯楽として
発展してきたのです。

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