友人の結婚式。
大好きなアンティークの着物で、結婚式に
参列しても、大丈夫?
アンティークの着物は今の着物と違って
大胆な絵づかいやポップな絵柄が多くて
かわいくて大好き。
お休みの日にお出かけや遊びに出るときに
着て楽しんでいるし
着物で来てね、と言ってくれたけど
花嫁に恥ずかしい思いはさせたくないし…
わかります。
筆者も一時期アンティークにはまって
蚤の市に出かけるほどでした(笑)が
着物を着ていればある程度フォーマルに
見てもらえるとはいえ、
結婚式にアンティーク着物を着て行っても
いいものなのか…
マナーにかなっているのか…
悩むところですね。
安心してください。
アンティーク着物で結婚式参列は、
絶対にダメ!
ではないのです。
結婚式に着て行ってもマナー違反にならない
アンティーク着物、
マナー違反になってしまう着物の両方を
説明していきますね。
結婚式のお呼ばれにアンティーク着物での参列はマナー違反?
アンティーク着物の代表的なものといえば
銘仙やお召し、総柄の小紋などがあります。
ポップで大胆な絵柄が多く
インパクトも強いので人目を惹きます。
コーディネートは
お太鼓柄の名古屋帯を合わせて
帯締めは三部紐で帯留めを
半襟は色刺繍や小紋柄の染のものを合わせ、
色足袋や柄足袋、履物は下駄。
こんな感じが
「theアンティークきものコーディネート」
といったところでしょうか。
これはいわゆる普段着・お出かけ着に
なります。
洋服でいうと、チュニックやブラウスに
パンツやスカート、ニットのアンサンブル、
カジュアルなワンピースなどの感覚です。
このような服装では結婚式に行きませんね。
こういった着物の場合は、
アンティーク・現代ものを問わず
結婚式に着ていくとマナー違反に
なってしまいます。
結婚式・披露宴会場が
格式のあるホテルや結婚式場であれば、
式と会場の両方に着物の格を合わせることが
必要になります。
逆を言えば、
格が合っていれば、
アンティーク着物で結婚式に出席しても
マナー違反にはならないのです。
その着物は訪問着?柄より格がポイントに
着物の格は上からざっと
正礼装・順礼装・略礼装、
お出かけ・よそ行き、普段着などに
分けられます。
未婚女性なら振袖、色留、訪問着あたりまで
既婚女性なら黒留・五つ紋色留、
三つ紋以下の色留、訪問着、紋付の色無地と
いったところが結婚式や披露宴に着て行ける
礼装の着物になります。
着物を広げてみると、
肩に向かって上向きで1枚の絵のように
絵柄が描かれているものを絵羽といいます。
この、絵羽ものが礼装になるわけです。
肩に向かって柄が上向きになっていても
縫い目で絵柄がつながっていない総柄のものは、
付け下げ小紋などと呼ばれていて
戦時中に訪問着が禁止されたときに
訪問着の代わりに作られたものと、
この頃になっておしゃれな小紋的な位置づけで
作られたものとがあります。
現代ではレストランなどの
カジュアルウエディングを除き、
礼装としてカテゴライズされないので、
結婚式には不向きになります。
着物と帯の柄にも格があります。
幾何学模様や縞、格子、水玉などは
普段着に用いられている柄です。
礼装には、
松竹梅や扇面、鶴亀といった吉祥文様や、
平安時代の装束に見られる亀甲や七宝などの
有職文様、
正倉院宝物殿に取材する宝相華文や
葡萄唐草文などの正倉院文様などが
格の高い文様(柄)として使われています。
結婚式にはそれらの使われている訪問着から
上の着物と、袋帯や丸帯を選びたいですね。
未婚女性の最上の格の着物は
何といっても振袖です。
アンティークの振袖に袋帯か丸帯を
ふくら雀などのクラシカルなお太鼓系の
変わり結びにして、
絞りの帯揚げに丸絎けの帯締めは本結びに、
刺繍半襟に畳表の草履でばっちり正装です。
アンティークの訪問着なら袖丈が長いので
現代の小振袖から中振袖くらいのものも
ありますから、訪問着にお太鼓のアレンジを
結んでもかわいいですよ。
成人式に着るときのような帯結びや小物の
アレンジは控えます。
既婚女性で友人の結婚式に参列するなら
訪問着にお太鼓結びがいいでしょう。
誰の結婚式に参列?友人か親族によっても考え方が違う
親族の結婚式に参列する場合は
ゲストではなくホスト側になりますので、
選ぶ着物が変わってきます。
新郎新婦と親いか遠いか、
また地域性でも変わってきます。
親族は必ず黒留という地域もありますし、
母親のみ黒留というところもあります。
訪問着は友人や知人、会社先輩など
ゲストが着るものなので
親族は不可という地域もありますし、
従姉妹ならOKのところも。
どの格の着物を着るかは、結婚する家同士で
ある程度すり合わせが必要になってきますが
未婚女性ならやはり振袖。
半襟を白か白地に白や金銀の刺繍のものを
合わせてフォーマル度をアップさせましょう。
既婚・未婚を問わずに着られる色留もいい
ですね。
白の総絞りの帯揚げと、
白の丸絎けか幅広の帯締めを使うと
アンティーク感もフォーマル度もアップ
します。
アンティーク着物を結婚式に着るときは
最後にざっくりと
アンティーク着物を結婚式に着ていくときの
チョイスを挙げますね。
着物は、
訪問着・振袖・留袖など
礼装用で絵柄が慶事向き
帯は、
礼装向きの袋帯か丸帯
帯揚げ・帯締めは
総絞りと丸絎けまたは広幅を選ぶと
アンティーク感アップ
半襟と足袋は、白
履物は、礼装向きの草履
結婚式は花嫁・花婿が主役です。
親族の結婚式でも友人の結婚式でも、
華美にせずにきちんとした礼装で
お祝いの気持ちを表したいですね。