1月の第2月曜日の成人の日。
少し街を歩けば、
振袖姿の若い女性に会いますね。
テレビのニュースで流れる成人式の様子を見ても
ほとんどの女性が振袖で着飾っています。
私が成人した30年ほど前は、
まだ、洋服で出席する女性も多数いたのですが、
今は、洋服の出席者は少数派ですね。
そして、最近は、男性の袴姿も増えてきたようです。
成人式の着物姿はいつから定番になったのでしょうか?
成人式の歴史を辿って、振り返ってみましょう。
成人式の着物・振袖の歴史とは?
成人式の着物姿はいつから定番になったのでしょうか?
調べてみました。
成人式で振袖を着るようになったのはいつから?
古い昔から、日本では成人すると
身なりを改める慣習がありました。
男性であれば、元服すると、前髪を落として、
冠、または烏帽子をつけ、着物を改めました。
女性は裳着といい、
はじめて裳、袴のようなものを身に着けました。
成年式を機会に着物を改めことは、
人生の新しい段階に移行したことを
視覚的に明らかにする一つの方法だったのです。
ところで、現在のように20歳で
成人式が行われるようになったのは、
太平洋戦争後のことです。
地域の新成人が一堂に会して行う成人式は、
1946年ごろから始まります。
1949年より、1月15日が「成人の日」と制定され、
成人の日に成人式が執り行われるようになりました。
この頃は、着物で参加する女性もいましたが、
洋服で参加する方も多かったようです。
昭和30年代には、晴れ着コンクールのようだ
という批判の声もあがり
「着物がないから出席しない・・」
という方もいたようです。
一時期は出席者を増やすことを優先して
「普段着で出席しましょう。」
という運動が行われた地域もありました。
その後、経済の成長に連れて、
着物を着る女性が増えていき、
バブル経済の頃には、
『成人の日=振袖』
という姿が定着しました。
振袖にはどんな意味が込められているの?
本来、振袖にはどんな意味が込められているのでしょうか。
成人式は、そもそも、子供が心身共に順調に育ち
成人を迎えたことを氏神さまに報告し、
さらに、これからの人生の幸せを
家族で祈願するものでした。
その際に、成人した子どもを祝うとともに、
大人として力づけ、励ますために
晴れ着である振袖を着せてあげたのです。
晴れの門出にピッタリ!未婚女性の正装
振袖は、未婚の女性の正装です。
成人式という門出には
若さと華やかさを表現する袖の長い
振袖がぴったり合いますね。
振袖には、大きな袖を振って
愛情を表現するという意味が含まれています。
詳しくは、こちらをご覧ください。
振袖と他の着物の違いとは?成人式以外の着用シーンも紹介!
ですから、着用できるのは、
若い女性でも未婚者の方に限定されるのです。
長い袖を振ることは厄除けの意味も持つ
袖を振る仕草は、愛情表現だけでなく
厄除けの意味もあるのです。
昔は、長い袖を振ることで、
魔を祓うことができると考えられていました。
そのため、身体の小さいうちに、
病気や魔物にとりつかれないように
という願いを込めて、
子供に振袖を着せていたのです。
大人の世界は、様々な誘惑という魔物がいます。
成人式の振袖姿は、そういう魔物を振り払って
立派な大人になってほしい
という願いもこめられています。
成人式で振袖以外の着物を着てもいいの?
もちろん!
訪問着でも洋服でもよいのです。
振袖は、結婚するまでしか着られません。
折角、豪華で素敵な振袖を仕立てても、
何十年も着られるものではないのです。
ですから、将来のことまで考えて、
成人式を機会に、長く着られる訪問着を仕立てて
プレゼントするという考えもあるのですよ。
因みに、私の母は、色無地で振袖を仕立てて
私の成人式にプレゼントしてくれました。
おかげで、その色無地は、
袖を詰めたり、色を染め変えたりしながら、
その後30年近く活躍しています。
レンタルで振袖を楽しむ。
あるいは、この機会に長く楽しめる着物を仕立てる。
それぞれの、ご家庭の考え方でよいのではないでしょうか。