現代の歌舞伎の衣装は本当に豪華で
お姫様や、花魁の姿は、ため息が出るほど。
そうかと思えば、荒事の主人公たちは、
突拍子もないような格好に見える大胆な
衣装を身につけています。
歌舞伎の舞台では、着ているものを見れば、
どんな役柄かが大体わかるというもの。
歌舞伎衣装の特徴を一緒に学んでみませんか。
魅力的な歌舞伎衣装について!特徴を画像付きで説明
歌舞伎の衣装で魅力的なのは、
やはり花魁の衣装でしょう。
花魁は、笄や櫛などの髪飾りをびっしりつけ
豪華な刺繍で華やかな絵が施された打掛を
羽織ります。
花魁道中が描かれるような演目では、
花魁が背中を向け、両手を広げ
少しえび反りのような格好をして、
衣装の図柄がよく客席に見えるような
仕草をすることもありますね。
帯は、体の正面に長く垂らす結び方をした俎板帯
三枚歯の高下駄も独特のものです。
男性で特徴的なのは荒事の衣装。
衣裳も、力強さを表現するために誇張されています。
三升の紋を染め抜いた大きな素襖に、
武士らしい侍烏帽子に手甲、脚絆、
高い下駄のようなものを履いて体を大きく見せ、
2mもある太刀を持ちます。
総重量は60kg程度とか。
歩いて出てくるだけでも大変なことです。
歌舞伎衣装にはどんな種類がある?名前は付いている?
歌舞伎は衣裳で身分を表します。
男性の役がよく着る衣裳は
どんなものがあるでしょう?
裃
裃は、武士の衣裳。
和服における男子正装の一種で、
今なら、スーツというところでしょうか。
4箇所に紋が入った肩衣と
袴を共布で作り、小袖の上から着ます。
長裃は、袴の丈を通常のものより伸ばし、
裾を引きながら穿くようにしたもの。
歌舞伎の場合は、袴をもっと長くして
舞台の見栄えを良くしていますね。
大紋
大紋は大名の礼服です。
上下同じ生地で、袴は長く、
大きめの家紋を背中と両胸、袖の後ろ、袴の尻に、
小さめの家紋を袴の前側に2カ所、
合計10カ所に染め抜いています。
勧進帳の富樫、松の廊下の塩谷判官が
着用していますね。
浪人
浪人の衣裳は、特に決まっているわけではないのですが・・
有名なのは、仮名手本忠臣蔵五段目の斧定九郎。
月代の伸びた白塗りで、
黒羽二重を着流し、
破れ傘を持つといういでたち。
野暮ったいどてらの山賊姿から、
怖いけどカッコいい浪人姿に変えたのは、
初代中村仲蔵でした。
若衆
元服前の若い男性は、
前髪のあるかつらをつけ
若々しさを表すために
紫など華やかな色の衣装を身につけます。
振袖にして、中性的な魅力を
前面に出す場合もあります。
使用される色や柄にはどんな意味が込められている?
歌舞伎の衣裳、特に女形の衣裳は、
役柄や年齢を表しています。
赤地の着物に大きな簪を付けていれば、
良家のお姫様です。
一方で、緑色の着物は、田舎娘の象徴です。
「わらび」の絵のついたのれんのある家は
田舎の家を表します。
黒い掛け襟があれば、町人です。
武家の女性は掛けません。
帯の結び方でもわかります。
舞妓さんのように長く垂らした振り分け帯は、
未婚女性。
一般庶民の女性は太鼓結び。
文庫結びは、武家の女性です。
衣装と化粧の関連はあるの!?
歌舞伎の世界では、化粧も、衣裳も、
身分や役柄を一瞬で表現するもの。
荒事の隈取りがあれば、
衣裳も派手なものになります。
町人の役なら、隈取りはせず、衣裳も、
当時の町の人が身につけているものと
リアリティが追及されます。
さて、衣裳とメークを見れば、
だいたいいどんな役柄か、
もうすぐに、わかりますね。
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