着物の襟合わせは「右前」と言うことを
覚えてる方は多いと思うのですが、
厄介なのは「右」と「前」の意味。
どちらに向かって右??前??
と混乱するので、
誤解を招きやすい言葉ですよね。
改めて、「右前」とはどちらが前なのか
その覚え方と一緒に解説します。
着物は「右前」が正解!・・・ところで右前ってどっちが前なの?
まず、「右」の意味。
この場合は、自分にとっての右側です。
次に、「前」の意味。
手前という意味で覚えましょう。
つまり、右側の襟が、自分の手前側に
あればいいのです。
自分で着物を着る場合、
まず右側の襟を合わせ、
続いて、左側の襟を上に重ねる
という流れになります。
着物の右前の超簡単な覚え方を紹介!
着物を着る都度、
「自分にとっての右側が手前だから・・」
と思い出すのは面倒ですね。
簡単な覚え方は、普段着慣れている、
洋服の襟合わせと比べてみること。
女性の場合は、いつもの洋服とは
反対の合わせ方、
男性の場合は、いつもと同じ合わせ方と
覚えれば良いのです。
また、人から見た時に、
アルファベットの小文字の「y」の形に
襟合わせが見えればOK.
ただし、鏡で見ると、逆向きになりますから
注意を!
鏡で写して「y」に見えたら、
それは左前ですよ。
そもそも右前にする理由は?左前は死人の着方!?
出典:http://blogs.yahoo.co.jp/seizoh529/GALLERY/show_image.html?id=47029329&no=0
着物を右前に着る習慣は
いつから始まったのでしょうか?
江戸時代の浮世絵をみると、
既に右前に着物を着付けていますね。
江戸時代には、右前に衿を合わせることが
定着していました。
歴史的に右前が定まったのは
奈良時代と言われています。
719年に出された「衣服令」という法律で、
「庶民は右前に着なさい」と定められたため、
以降、右前が定着したと考えられています。
よく、右前で着る理由として、
右利きの人が、右手で懐にものを
入れやすいからと言いますね。
一理はありますが、それならば、
左ききは、反対の襟合わせにすれば良い
ということになります。
また、左前に着ると「縁起が悪い」からと言われますが、
それは、死人は左前に帷子を着るからです。
人が亡くなった後、身に付けるものは
生きていた時とは
逆さまにする風習がありますね。
帷子の襟だけてなく、
かける布団も上下逆に、
そして、横に置く屏風も
上下逆さまにします。
左前は死人の着方だから、右前に着るという
説明もありますが、
生きてる人が右前に着るから
亡くなった方は左前に・・というのが
正しい説明です。
右前・左前は男女で違う?七五三の着物は?
洋服では、男女で襟合わせが異なり、
女性は右側が上(着物でいう左前)
男性は左側が上(着物でいう右前)
になっていますね。
着物は男女とも同じで、右前です。
年齢やシチュエーションによる
襟合わせの違いということもありません。
七五三の着物も右前です。
まとめ
- 着物の襟合わせは右前。
自分にとっての右側の襟が
自分の手前側にあるのが
正しい着姿です。
- 着物は、男性も女性も襟合わせは同じ。
女性の場合は、洋服とは逆、
男性の場合は、洋服と同じ
襟合わせと覚えましょう。
- 右前になった理由は、
奈良時代の法律に定められたことによります。
- 死人が身につけるものは、
生きてる時と逆さまにする風習があります。
そのため、死人の襟合わせは
左前になるのです。
さあ、これだけ覚えれば、
もう、衿の合わせ方に迷うことはありませんね!