日本舞踊の発表会を観に行くと
踊るのは大半は女性。
「道成寺」や「鷺娘」と言った
華やかな女性らしい衣装のものもありますが、
中には、男性らしい振付のものも・・・。
日本舞踊には、女舞と男舞があるのです。
その違いや魅力についてご紹介しましょう。
日本舞踊ってどうして女性が多いの?
出典:http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n
日本舞踊のお稽古をしている人は
圧倒的に女性が多いようですね。
理由はいくつか考えられます。
●花柳界では日本舞踊のお稽古が必須
お座敷で舞を披露するのが芸妓の仕事。
そのため、日本舞踊=女性のイメージがついたと
考えられます。
●花嫁修行の一環
茶道、華道と同様に
所作が美しくなるという目的で
お稽古する若い女性が多かったのです。
●綺麗な衣装と華やかなお化粧
普段は着ることがない華やかな衣装、
日本髪に白塗りのお化粧・・・
女性なら一度は憧れますね。
一方、男性は日本舞踊に興味はあっても
「化粧はしたくない」
と言う理由で
敬遠する方も多いようです。
日本舞踊の男踊りと女踊りの違いってなに?
文字通り、踊りの振付で
男女を表現します。
女踊りは、内股で、
少し膝をかがめて前かがみにして
全体的に小さく見えるような姿勢をとります。
動きも優雅。
女性らしく見えるように
捻った姿勢をとる所作が多いようです。
男踊りは、外股で、足もしっかり広げます。
手のあげ方も、直線的に大胆に
歌舞伎の見得のような大きな振りをします。
一つの曲の中で、一人の人が
男と女を演じ分けることもあります。
衣装は変わらなくても
手足のさばきかたで、
表現しているのが男が女かわかります。
女性が着物を着て、男踊りを踊る時は、
着物の裾がわれてもよいように
着付けをするそうです。
そもそもどうして男性が女役、女性が男役を踊ったりするの?
出典:http://blog.goo.ne.jp/np4626
日本舞踊で、一人前と言われるには
男舞と女舞両方とも踊れなければならない・・
という話は、
踊りに携わった人なら常識のようです。
ただし、その理由は?と質問されると
答えに詰まる方が
多いのではないでしょうか。
想像するに、花柳界では、
女性が芸妓、男性は太鼓持ちと
役割が分担されていたので、
芸妓が男女を踊り分けて
表現する必要があったのかもしれません。
また、歌舞伎同様、踊る主体の性別に関係なく
男も女も踊らなくてはならない・・
という考え方に
基づいているのかもしれません。
女性の出演が禁止されるまでは
歌舞伎でも、女性が男装して
踊る姿が人気を呼んでいました。
阿国も男装をして舞を披露しています。
女性の男装、男性の女装というのは、
非現実の世界を表す象徴ともいえます。
性別を超越した舞は
現実を離れた夢の世界の表現手段の一つ
だったのかもしれません。
男舞って難しい?!女性が舞うその男舞の魅力とは??
出典:http://worldartshoji.yu-nagi.com/
日本舞踊は、女性の場合、
女舞のお稽古をある程度積んでから
男舞を覚えます。
最近は、女性もサッカーやラグビーなどの
激しいスポーツもしますし、
大股で歩く人も増えてきました。
しかし、少し前までは、
激しいスポーツは男性のもの
女性は大股で歩いたり、
人前で走るものではない
と言われていました。
そういう環境で育った女性には
足を広げ、手足を大きく伸ばす男舞は、
身体の使い方が全く違うので、
難しく感じたのかもしれません。
しかし、大胆な動きが取れるところが
男舞の魅力。
覚えてくると、踊る事が快感になって、
病みつきになるそうですよ。