草月流のいけ花は、ダイナミックで前衛的。
アーティスティックに活けてみたい
モダンな部屋に合ういけ花を学びたい
という方にはオススメの流派です。
草月流の歴史や特徴を調べてみました。
華道草月流の特徴は?他の流派との違いは?
草月流のいけばなの特徴は、
自由で前衛的だということ。
いけ花と言うより、
インスタレーションと表現した方が
ピッタリと来るかもしれません。
花にこだわらず、紙や合成樹脂、金属など
あらゆる素材を取り混ぜ、
植物にも着色したり、針金を入れたりして
立体を構成させます。
そのため、大きくいけることができるので、
舞台美術やショーウィンドウを
飾るディスプレイによく使われていますね。
「自然にいける」というよりも
「人工的に組み立てる」
という表現の方がピタリとくるかもしれません。
「アート作品」として世界的に評価される一方
自然の花の姿を愛する人々からは、
評価されないこともあるようです。
ただし、草月の特長は、
余白も美しさととらえて
空間を構成する点にあります。
とても前衛的でありながら、
余白を重視するという意味では、
日本の伝統的な美的感覚を
踏まえているいけ花なのです。
草月流の歴史は長い?気になる成り立ちとは?
草月流の歴史は浅く、
1927年に初代家元勅使河原蒼風によって
創立されました。
蒼風は、幼い時からいけばなの指導を
受けましたが、
型通りにいけるいけばなに疑問を持ち
新たな流派を設立します。
第二次世界大戦後は、
欧米各地で展覧会を精力的に行い、
いけ花を世界的に広めました。
蒼風亡き後、その次女が二世を継承しましたが
早世してしまい、
その後を長男の勅使河原宏氏が
三世として家元を継承します。
宏氏は、芸術的にマルチな才能を
持ったひとでした。
東京芸術大学で油絵を学び、
岡本太郎とともに、
前衛芸術グループ「世紀」に参加しました。
監督した映画「砂の女」では
カンヌ映画祭審査員特別賞を
受賞しています。
現在は、宏氏の次女茜氏が
2001年に第4代家元を継承しています。
茜氏も父と同様、他のアーティストと
コラボレートした創作活動などを
活発に行っています。
草月のいけばなが
花を飾ることにとどまらないのは
代々、多様な才能を持った家元を
輩出してきたからなのです。
草月流の資格を取りたい!師範までの道のりやお免状の種類は?
出典:http://sougyoku.com/
草月流のいけばなは、前衛的ですが、
組織は伝統的ないけ花流派と同様、
家元を中心としたものです。
草月流で師範の資格を取得するまでには
定められた段階のレッスン(稽古)を
積む必要があります。
自由に花を活けることを重視する流派ですが、
基礎段階ではカリキュラムが定められており、
まずは、「型」を学んでいきます。
カリキュラム1、2は、どちらも20段位。
それぞれ6か月程度で修了します。
カリキュラム3に進むと、型から離れ、
いよいよ自由にいけることへ踏み出します。
そして、カリキュラム4でさらに高度な技術を
身に付けていきます。
この4段階のカリキュラムを習得後、
師範(指導者)へのレッスンが始まります。
植物を使って自由な表現ができるように
レッスンを続けていきます。
そのカリキュラムを完全に身につけると
4級師範証書、そして、
指導者の証である
看板・席札の申請ができます。
さらにこれで、修了ではないのです。
師範の資格も8段階あり、
さらに上の資格を目指して
みなさん、レッスンを続けていくのです。
草月流の花展にでかけると、
「これもいけ花なんだ・・」
というような斬新なインスタレーションが
数多く展示されています。
草月流に興味がある方は、
まずは、花展に出かけてみてください。
多くの発見がありますよ!