能の演目『敦盛』のあらすじを紹介!見どころや現代語訳も!

能『敦盛』は修羅物であるにも関わらず、

どこか優美で風雅な趣をたたえた演目です。

 

『平家物語』第九段が題材となっており、

蓮生法師がかつて敦盛を討った戦地で、

敦盛の亡霊と出会うというあらすじですが、

旅の僧が武将の亡霊と出会い

弔う話は多いものの、

討ったものと討たれたものが

その地で巡り合うというのは

珍しいといえます。

 

また少年・敦盛の死を

単なる悲劇としない能の演出は

この物語と相性ピッタリです。

 

今回はそんな『敦盛』の

あらすじや見どころ、

現代語訳などをご紹介します。

敦盛のあらすじは?

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出展:http://blogs.yahoo.co.jp/sokura_t

 

まずは能『敦盛』の

あらすじをご紹介します。

 

源平合戦の折、

まだ16、7と思われる

わが子に近い幼さの残る敵将・平敦盛を

手に掛けた

源氏の将・熊谷直実は、

戦に世の無情を悟り仏門へ入りました。

 

平家が滅びてしばらくの頃、

蓮生法師と名乗り出家の身となった直実は、

かつての戦場・須磨一の谷へと赴きます。

 

そこへ草笛の音とともに

草刈の男たちが現れ、

草刈や木樵(きこり)には

青葉の笛や歌が良く似合うと語ります。

 

一団の去ったのち、一人残った男が、

自らを敦盛の縁者と伝え、

十念をもって念仏を授けてほしいと願い

去っていきました。

 

夜半、蓮生が念仏を唱えていると、

戦装束の敦盛が現れます。

 

以前の敵も今や

かたや僧例かたや霊となり、

法友との再会を喜ぶ敦盛の亡霊は、

自らのたどった人生を想起し舞を舞います。

 

平家一族の都落ちから須磨の城、

合戦で最期を迎える前夜の様子、

そして一の谷の波打ち際で

直実に討たれる様までを、

とうとうと舞いあげます。

 

最後に敦盛の亡霊は

蓮生法師に後の回向を願い、

消えていくのでした…。

敦盛の見どころはここ!動画も紹介!

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出展:http://www.nagamachi.co.jp/index.html

 

能『敦盛』を

少年・敦盛の戦死が題材の修羅物として

一括りにするのは

どこか憚られるものがあります。

 

リアリティを持たせた別の手段で

『敦盛』を制作すれば

戦を舞台とした少年の悲劇として

描かれてしましそうですが、

観客に想像を委ねる能の演出では

敦盛の風雅さが

戦死よりさらに強く残るため、

ここに能の幽玄と

静かな哀感をみてとれます。

 

悲哀を美しさとする能の演出、

またこの舞台上に漂う

哀愁の情緒と風雅さこそが

敦盛の見どころともいえるでしょう。

 

また面に関しては、

前シテの草刈の男を

直面※で演じることから、

若い演者のために制作された能といえ、

少年・敦盛を強く意識させられます。

 

また後シテ敦盛の亡霊などは

十六という面をつけるのですが、

一説には

敦盛のために打たれた面とも

いわれています。

 

悲哀の念さえのぞかせるものの、

その表情は気品に満ちあふれており、

その表情からは

熊谷直実に対しての憎悪は感じられません。

 

※直面

面をつけないこと。素顔。

 

能楽喜多流 塩津圭介 能「敦盛」
能楽堂ではないようですが、様々なアングルから撮られた動画がありましたので、お楽しみください。

 

 

信長が好んだ『敦盛』と能の『敦盛』は別物だった!?

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出展:http://history.monovtube.com/

 

「人間五十年、

下天のうちにくらぶれば

夢幻のごとくなり。

一度生を受け

滅せぬ者のあるべきか 。」

 

戦国時代の異端児・織田信長の好んだ

『敦盛』の歌としてあまりに有名です。

 

ただし能『敦盛』と

いわれることもありますが、

これは間違った情報です。

 

なぜならこの詞章は

能の『敦盛』の謡には

見当たらないからです。

 

その昔、著名な作家さんが

謡曲と幸若舞を取り違えて

広めてしまったのが原因ではないかと

いわれています。

 

尚これは室町時代に武家達の間で流行した、

語りを伴う曲舞の一種・幸若舞の

一説ということがわかっています。

 

幸若舞は、

能や歌舞伎の原型ともいわれており

国の重要無形民俗文化財に

指定されています。

敦盛の謡の詞章の一部を現代語訳付きで紹介!

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出展:http://www.digital-museum.hiroshima-u.ac.jp/~miyajima/newpage11.htm

 

能『敦盛』の謡の詞章の一部を

現代語訳とともにご紹介します。

 

 蓮生法師

うたてやな一念弥陀仏即滅無量の

罪状を晴らさん称名の

法事を絶えせず弔う功力に

何の因果は荒磯海の

 

情けないことをいいなさるな

有難い念仏を絶えず唱えて、

回向をしているのだから、

その功徳で因果の報いは消えるはずだ

 

敦盛

深き罪をも訪い浮かめ

 

この深い罪業をも浮かべてくださるのですか

 

蓮生法師

身は成仏の得脱の縁

 

そうです。そして自分もまた迷いを離れて成仏する縁としたいのです

 

敦盛

これまた他生の功力なれば

これというのも、やがて後世成仏の功徳となるのですから、

 

蓮生法師

日頃は敵

 

昔は敵同士でも

 

敦盛

今は又

 

今は本当の

 

蓮生法師

真に法の

 

敦盛

友なりけり

 

法の友と申すものです。

 

 

 

 

 

まとめ

 

敦盛は能ならではの

憂いを帯びた美しさが

魅力の一曲です。

 

美しく、

優美で能らしい

幽玄の世界が味わえますが、

私は悲劇が大変苦手なため、

この『敦盛』は

能以外では見ることはできません…。

 

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