能の道成寺の乱拍子が特徴的!あらすじやみどころは?

能『道成寺』は、

女から逃げて鐘に隠れた男を、

蛇になって焼き殺し、

更に後世の鐘供養の時までも祟るという

女の情念を描いた

大変わかりやすいあらすじの演目です。

 

また観客にとっては

特徴的な舞事の「乱拍子」や

スリリングな鐘入リ、

また蛇に変身をする転換など

見どころも大変多い大曲といえ、

演者にとっては

大変技術も技量も演技力もいる

難曲ともいえます。

 

今回はそんな見どころ満載の

能『道成寺』をご紹介します。

道成寺のあらすじは?

能『道成寺』のあらすじをご紹介します。

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 出展:http://blogs.yahoo.co.jp/sea_chigasaki

 

春爛漫、

桜の花が美しく咲く紀伊国・道成寺。

 

寺の住僧は、

寺番・能力に鐘供養を

女人禁制で行うことを申しつけます。

 

そこ白拍子が現れ、能力に

鐘供養の舞を奉納したいと申し出ます。

 

いったんは断る能力でしたが、

懇願されて寺に招きいれてしまいます。

 

烏帽子姿に男装した白拍子は

乱拍子を舞いながら鐘へ近づき、

能力が居眠りした隙に

鐘を下して中に隠れてしまいます。

 

事の次第を聞いた住僧は僧たちに、

なぜ女人禁制にしたのかという

わけを語ります。

 

その昔ある山伏に恋着した女が、

裏切られたと思い込み

山伏を追いかけました。

 

山伏はこの寺の鐘に逃げ隠れたものの、

恨みで蛇と化した女に

鐘もろとも焼き殺されたということでした。

 

僧たちが必死の祈祷を捧げると鐘は上がり、

中から蛇体となった女が現れます。

やがて僧たちに祈り伏せられ、

蛇体は自らの炎で身を焼くと、

日高川の深淵へと姿を消していきました。

道成寺の見どころはここ!

 

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開演前に

狂言方によって仕込まれる

大きな鐘の作り物(大道具)、

独特な足遣いをみせる

乱拍子から急之舞へ変化する舞事、

落下する鐘に飛び込む鐘入リ、

上がった鐘から

蛇体にて姿を現すまでの転換と、

観客にとっては見どころ満載の

大曲です。

 

しかし演じる者にとっては

難曲中の難曲といわれ、

これを披いて

はじめて一人前の

能楽者として認められるという

能楽者の技能認定試験の能でもあります。

 

歌舞伎『京鹿子娘道成寺』、

浄瑠璃『道成寺』、

組踊『執心鐘入』、

また日本舞踊やモダンダンスなど、

様々なジャンルで演じられているので、

それぞれ違いを楽しむのもおすすめです。

 

ちなみに巳年だった2013年は、

能だけでなく歌舞伎や日舞、京舞など、

行く先々で「道成寺」三昧でした!

 

次は2025年…ちょっと遠いですね。

道成寺に見られる乱拍子ってどんなもの?

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出展:http://amemura.fwdsclub.net/

 

道成寺の乱拍子は、

かなり特徴的な動きのある舞です。

 

小鼓の気迫のこもった独奏に合わせて、

足先を上げたり引いたり、

またおろしたりします。

 

緊張感のある張りつめた空気の中、

白拍子と小鼓は呼吸を合わせ、

間合いをとります。

 

テレビで見たら

放送事故かと

勘違いするのではと思うくらいの

長い無音状態を有します。

 

華やかな囃子の舞も良いですが、

こういった能独特の

緊張感を有する舞もまた見ものです。

 

能『道成寺』から生まれたといわれる

組踊『執心鐘入』は、

琉球舞踊と琉球民謡融合した

歌劇といわれていますが、

琉球舞踊独特の足さばきなども

乱拍子に近いものを感じるため、

その親近感から

『執心鐘入』が生まれたのではという考えも

禁じえないものです。

 

まさに百聞は一見にしかず。

いくら説明するよりも、

見たほうが伝わると思うので、

どうぞこちらの動画をご覧ください。

道成寺 乱拍子

 

道成寺の謡の詞章の一部を現代語訳付きで紹介!

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見どころ満載の『道成寺』ですが、

それは舞時や演出、

作り物によるものが多く、

謡の詞章の見せ場と聞かれると、

逆に難しいものがあります。

 

そんな中でも

白拍子が能力に舞の許可を得たときに

喜んだ際の詞章が

嬉しげで魅力的でしたので、

現代語訳とともにご紹介します。

 

こんな無垢な台詞を口にする白拍子が

のちに蛇になるとは恐ろしいものです。

 

白拍子

嬉しさや、さらば舞わんとて

あれにまします宮人の

烏帽子をしばし仮に着て

既に拍子を進めけり

 

花の外には松ばかり

花の外には松ばかり

暮れ初めて鐘や響くらむ

 

ああ嬉しい、それならば舞いましょうと、

あそこにいらっしゃる

宮人(神に仕える人)の、

烏帽子をしばらくお借りして、

早くも足拍子を踏み始めました。

 

花のほかには松しか見えない、

花のほかには松しか見えない、

辺りは桜一色で、

あとはいつもと変わらぬ

松の緑が見えるのみ。

 

その春爛漫の景色も暮れはじめて、

日の入りを告げる入相の鐘が響いているようだ。

 

まとめ

 

私が『道成寺』を初めて見たのは、

娘の師事する日本舞踊の先生が

名取を襲名される際でした。

 

日舞でもやはり難しいといわれる名曲で、

能と同じく

これを踊れて一人前とみなされるそうです。

 

また巳年の2013年は

定期能の『道成寺』に続き、

都をどり、五月歌舞伎など、

見事に各『道成寺』を楽しんだ一年でした!

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