“おもてなし“とはなにか?
2020年東京五輪の招致スピーチで
滝川クリステルさんが
“お ・ も ・ て ・ な ・ し”と
世界に発信したのが話題になりましたね。
その“おもてなし”とはいったいなんなのか、
知っているようで説明できない言葉
なのではないかと思います。
広辞苑で調べてみると、
「持て成し」と「持て成す」と
それぞれ意味があるようです。
もて-なし【持て成し】
とりなし。とりつくろい。たしなみ。
源氏物語(末摘花)
「いとわろかりしかたちざまなれど—に隠されて」
ふるまい。挙動。態度。
源氏(空蝉)「ばうぞくなる—なり」
取扱い。あしらい。待遇。
源氏(桐壷)世の例にもなりぬべき御—なり」
「丁重な—をうける」
馳走。饗応。
「何のお—もできず失礼しました」
もて-な・す【持て成す】
とりなす。処置する。
取り扱う。たいぐうする。
歓待する。ごちそうする。
平家物語(11)「御前へ召されまゐらせて、
御引出物をたまはって—・され給ひしありさま」
面倒を見る。世話をする。
源氏(若紫)「そもそも女は人に—・
されておとなにもなり給ふものなれば」
自分の身を処する。ふるまう。
取り上げて問題にする。もてはやす
そぶりをする。見せかける
これら広辞苑を読んでみると、
“もてなし“よりも、そして”もてなす“のほうが、
いろんな意味を含んでいると感じました。
また、”おもてなし”は、
誰かに影響を与える行為であることもわかります。
“おもてなし”とは、
自分がある相手をどのように受け入れるのかを、
振る舞い(行為)として表すものではないかと定義しました。
“おもてなし”の由来は?
“おもてなし”の由来は、
「持て+成す」で取り持って行動すること
からきているという説があるようです。
取り持つというのは、二者の間に立ち、
その関係が良好なものとして成立するように
働く意のことをいいます。
由来を見てみると、
仲介の役割が強く出ていますね。
このように、誰かと誰かの関係を結ぶ人たちは、
その二者の関係ができるだけ良好になるような、
心地良い振る舞いをしていたことが伺えます。
こういった振る舞いが、
だんだんと大切に大事に思われていくようになり、
個人の振る舞いにも
根付いていくようになったのではないかと思いました。
一期一会の際や、
大切な人に会うときなど、
“おもてなし”の振る舞いを大切にしていったのだと思います。
“おもてなし”の意味を知って、今私ができること
自分と関わる人をハッピーにする、
心地よくする、
新しい出会いや発見があるというのを
“おもてなし”と受け止めて、
今私ができることを3つ考えました。
1:知り合いだったら、元気よく笑顔で挨拶をする。
2:誰かが話しているときは、必ず聞く。
3:なるべくポジティブな答えを伝える。
こう並べてみると、とても当たり前であるし
“おもてなし”という言葉とはほど遠いもの
に感じるかもしれません。
しかし、
おもてなしは実は
私たちの生活の中で自然にあるものだと思います。
自分が、振る舞いという動作をすることで、
相手が視覚的におもてなしを感じるというのは、
なんだか日本舞踊を見ているようだと思いました。
言葉で伝わるものでなく、
動作が言語になっているところが
日本舞踊と共通する点です。
だからこそ、もしかすると“おもてなし”は、
言葉の通じない他の国の人にも伝わるすてきな所作
なのかもしれませんね。
広辞苑をいくら読んでもわからない。
それは、きっと広辞苑から得られた意味を
自分なりに解釈して答えることだから
なのかもしれないと思いました。
小さな“おもてなし”から始めてみると、
実は大きなおもてなしになっているかもしれませんね。
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