「陰陽師」は、一大ブームを巻き起こした
夢枕獏の人気小説を題材に
2013年に新たに制作された歌舞伎です。
歌舞伎ならではの演出や工夫が凝らされた
スケールの大きな話です。
市川染五郎が安倍晴明、市川海老蔵が平将門、
他に、尾上菊之助、尾上松緑、
片岡愛之助、中村勘九郎、中村七之助
と花形役者が勢ぞろいした華やかな舞台でした。
あらすじ
魑魅魍魎が跋扈する平安の都では
怪事件が次々と発生しています。
ある晩、都で評判の若き陰陽師の安倍晴明は、
親友の源博雅とともに都を歩いていると
百鬼夜行に遭遇しました。
その中には、一人美しい姫がおり、
その姿に目を奪われます。
晴明と博雅は、平貞盛が患った原因不明の病を調べるうちに、
都で起こる奇怪な事件や出来事が、
20年前に討伐された平将門に関係していることを
突き止めます。
将門を討伐したかつての将門の盟友、俵藤太とともに、
将門の死の謎を追ううち、将門の遺灰を盗み出した者が
いたことが判明します。
そして、百鬼夜行とともに行動する謎の姫の正体が
将門の娘、滝夜叉姫であることがわかります。
実は、怪事件の背景には、20年の時を越えた恐ろしい陰謀が
隠されていました。
興世王が滝夜叉姫を操って、平将門を復活させ、
都を乗っ取ろうとしていたのです。
その興世王対して、晴明たちは戦いを挑むのでした。
見どころ
陰陽師は人気小説ですし、
野村萬斎主演で映画化されたり、
ドラマにもなっているので
その主人公の安倍晴明は皆さんご存知ですよね?
歌舞伎では、
晴明のお父さんにあたる安部保名が狂い舞う「保名」、
晴明のお母さん(狐)が子供との別れを悲しむ「葛の葉」と
周囲の人が主人公のお話があり、晴明は馴染み深い人物です。
ところが、晴明自身が主人公のお話は、
「陰陽師」が初めてだと思います。
歌舞伎座の杮落しで1度上演されただけですので、
ぜひ、再演を期待したいところですね!
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