歌舞伎は、最初にどの演目を観るかで、
好き嫌いが決まってしまう!
と言ってもよい程、演目選びは大切です。
私も、20代の頃に歌舞伎を観た時は、
全く興味が沸かなかったのですが、
たまたま、海老蔵襲名公演で観た「助六」の華やかさ、
楽しさに心を奪われ、 すっかりハマってしまいました。
初心者も魅了される、おすすめの演目を
5つご紹介しましょう。
タイプ別で紹介!おすすめの演目とは?
歌舞伎の演目は、大きくわけて、
「時代物」「世話物」「所作物」に分かれます。
「時代物」は、室町時代、鎌倉時代が舞台となった物語。
江戸時代の庶民にとっての「時代劇」や「大河ドラマ」です。
対して、「世話物」の舞台は江戸時代。
当時の人にとっては、現代劇ですので
流行を取り入れた「トレンディドラマ」の位置付けです。
「所作物」は、踊りや能・狂言を題材としたものです。
それぞれ、初心者におすすめの演目をご紹介しましょう。
世話物1「助六」
私が歌舞伎にハマるきっかけになった演目。
初めて歌舞伎を見物するなら、絶対おすすめです。
吉原を舞台に、きれいで、楽しく、
華やかな物語が進みます。
江戸一番のいい男、助六。
紫の鉢巻き、背中に尺八、手には蛇の目
というすたがで花道に登場。
傘を開いてポーズを決めると、
その格好よさに客席からため息がもれます。
助六は、通行人にケンカを売り、
通行人に股を潜らせるなどやりたい放題。
実はそんなことをするのは、深い理由があったというお話です。
助六も格好いいですが、恋人の花魁である揚巻が、
豪華な衣装をまといながら、 敵役にタンカを切るシーンは、
スカッとした気分になりますよ。
世話物2 「弁天小僧」
「知らざぁ、言ってきかせやしょう」
というセリフはご存知ではありませんか?
「きれいなお嬢さまと思っていたら、不良少年だった!」
という話。
弁天小僧は、男性が女性も演じる歌舞伎ならではの楽しい芝居。
娘に化けた弁天小僧が呉服店にきて、
万引きしたと勘違いさせ、
店のものを脅して金をせびります。
ところが、「男だ」と正体を見破られてしまって・・
という 話ですね。
見所は、正体を見破られた弁天小僧が、
着物をはだけて、 キセルをくるくる回しながら、
冒頭のセリフからタンカを切るシーンです。
客席からも「待ってました」と
掛け声がかかり盛り上がります。
所作物1 身代座禅
歌舞伎を全く知らない人も楽しめる単純なストーリーで
初心者に一番おススメの演目です。
浮気の為に出かけたい夫と
それを許さない妻のコミカルなお芝居。
夫は、愛人と会うために
「今夜は一晩座禅をして部屋に籠る。」
と奥さんには説明して、
実は家来に身替りに座禅をさせて出ていきます。
ところが、奥さんにばれてしまい、
それを知らずにご主人が朝帰りしてくると・・。
どの時代、どの世界にもありそうな夫婦のお話です。
所作物2 連獅子
歌舞伎の楽しみには、「踊り」の鑑賞も含まれます。
連獅子は、我が子を谷底へ突き落とし、
自力で這い上がって来た仔獅子だけを育てるという
獅子の伝説を舞踊化したものです。
獅子の精に姿を変えてからの豪快な毛振りは。
頭を大きく回して長い毛を振りまわしますが、
そのスピード感が見せ場です。
迫力に圧倒されるでしょう。
時代物 義経千本桜
源平合戦で平家を打ち取った後、
兄頼朝に謀反の疑いをかけられて
落ち行く義経をめぐる人々を描いたのが
義経千本桜です。
初心者の方にお勧めなのは、その一段「川連法眼館」
静御前のお伴をしてきた義経の家来は実は狐だった!という
物語です。
ストーリーがわからなくとも、
早変わりや、思わぬ場所からの登場など、
狐ならではの演出がとっても楽しい演目です。
この他にも、かたき討ちの『仮名手本忠臣蔵』、
お岩さんで有名な『四谷怪談』なども初心者の方にお勧めです。
ぜひ、気軽に歌舞伎観劇に出かけてみてください。
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